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日曜日, 7月 26, 2015

プロは道具を間違えない


木を削るのにノコギリを使ったり、釘を打つのにノミを持ったりする大工に仕事を任せたいと思うだろうか。 その人が、どのように凄い腕を持っているとしても、普通はそうは思わない。 なぜなら本物のプロは、道具の大切さを知っていて、自分が納得できる仕事にするために何をすべきであるかを理解しているから。

ITの世界でもこれは同じで、本物のプロは道具の使い方にこだわりを持っていて、適切に使い分けをする。プロジェクト管理手法全般に一貫性があるか、設計ドキュメントの作成にどのようなツール使うか、上流と下流の設計手法が合っているか、設計手法と開発言語のパラダイムが一致しているか、アーキテクチャが言語の特性を生かしているか…

しかし実際の現場では、Excel方眼紙による設計書、構造化設計をしているのにオブジェクト志向開発をする、Javaなのに手続き的な作りを強制するなど、道具の使い分けが適切でないことが多い。ITの道具は自由度が高く、絶対にできないなんてことがほとんどないため、”慣れているから”、”使えるから”などの理由を付けて、使わさせられる側面もあるが、多くの場合は素人エンジニアの変な主張により道具が選択されている。

結局の所、私がPJメンバーを評価するときに見ているのは、プロとして恥ずかしくない道具の使い分けをできているかというところ。これが出来ないエンジニアは、一見素晴らしいものを持っていても、結局は狭い視点でしか物事を把握しておらず、長期的にみると素人に毛が生えた程度の価値しか出すことができない。